菅義偉氏に首相は務まらない

 この3ヶ月間は菅政権の無能さに国民が翻弄された月日であった。コロナウィルス対策はGoToトラベル事業を筆頭に利権確保の為以外には行われず、このままでは来夏の東京オリンピックが開催出来なくなるという専門家の言に驚いて初めて第3波感染拡大の中、GoToトラベル事業を一旦停止したにすぎない。この首相とその周辺の政策判断は科学的事実から常に目を反らし続けることのうえに行われていた。このことについてはドイツのメルケル首相によるコロナ対策と盛んに比較対照され、落胆と嘆きの声が一部の国民の間から洩れていたものである。
 
 国家の非常時や緊急時にはその国の政府の能力が露わとなる。新型コロナウィルス感染拡大の中でそのことをこれ以上無いほどに痛切に感じたのがこの1年であった。安倍政権もその後継政権ー独自な政策を持ち得ない無能な政権ーである菅政権も、コロナウィルス封じ込めの為の実効的対策を何一つ打ち出せずにいるばかりか、逃げ回ってすらいたのが実情である。大晦日である今日、東京都で既に1000人を超える新規感染者数を出してしまった事実を見るにつけ、来年は一体どれだけの感染拡大が起こるのだろうかと思う。アジア人はどうやらコロナウィルスに罹りにくいようであるのにも関わらず、日本は他のアジア諸国とは全く異なり、残念なことに感染率が高い。これはひとえに国の無策によってもたらされた事実であり、国民が行い得る感染対策についてももう既に限界がある。そして何より既に起きつつあるように見える医療崩壊を何としても防ぎたい。専門家集団である医師、看護師のかたがたには感謝の念しか無い。官邸の人間には医療現場の苦悩をよく思いやってもらいたい。

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