利権の有無で政策スピードを変える汚い安倍政権

 新型コロナウィルスの感染拡大が止まらない。それにも関わらず、安倍政権はその対応が後手後手である。国内の感染初期においては外貨稼ぎの為に中国からの旅行者と帰国者を制限する水際対策を意図的に行わず、ダイヤモンド・プリンセス船内ではゾーニングを怠ったうえに民間からのPCR検査の申し出を利権が無い為に拒絶し、外出・休業自粛は補償をしたくない為に遅らせ、世帯主への30万円補償を決めたものの極めて門を狭くしたうえに意図的に手続きを煩雑化して申請しにくくし、個人への10万円補償を嫌々ながら決めるも撤回して公明党山口那津男代表からの強い要請でやっと復活させた、等々。要するにカネのかかることやカネにならないことは徹底してやりたくないのだ。ここで思い出すのは、安倍政権がかつて、集団的自衛権を行使可能としたり特定秘密保護法やカジノ法を成立させたり水道法を改正(実際には改悪)したり辺野古基地建設強行したり等、碌に審議も経ずに国民の生命の安全や人権を脅かす法案を成立あるいは改正して来た前科である。これらにはいずれも利権が存在するのでさっさと行って来たということであって、今回のコロナ対応の後手ぶりとは実に対照的であることは一目瞭然である。

 国家というものは、国民の安全や人権を守る為にあらゆる政策を行うものであり、日本以外の世界中の主要国と先進国はほぼアメリカ以外は全てそうしている。然るに日本の安倍政権はその逆であり、国民の安全と人権などどうでも良いと考えている。いや、それどころか、安倍首相自身は明確には述べていないものの、自民党議員の西田昌司氏と片山さつき氏は国民主権と基本的人権を明確に否定する発言をしている。これは、口にこそ出さなくとも現在の自民党議員の大半の本音であろう。国民の安全と人権を蔑ろにし、蹂躙することが容易な政策は自民党と安倍政権のステークホルダーにとって嬉しいことに、そして国民にとっては皮肉なことにカネになるから、それらの根拠法を野党の大反対に遭っても民主主義的熟議を経ずに猛スピードで成立あるいは改正(繰り返すが実際は改悪)するのだ。コロナ以前/以後の政策のスピートの対称性が今、これ以上無い明確さでもって国民の前に示された訳である。何と明け透けな恥ずべき構図だろうか?これでも安倍政権支持者は、「特別な事情」(前回および前々回のブログを参照)があるという理由で支持するのだろうか?

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