安倍政権が日本を後退国にした

 これほどまでに嘘をつき続けて平然としていられる人間が存在することに、心底驚かざるを得ない。もちろん、この国の首相のことを言っているのである。ANAインターコンチネンタルホテル東京がサクラゲート事件(「桜を見る会案件」のこと。欧米諸国では先述の呼称のほか、「アベゲート事件」という呼称も使われる)の主舞台の一つである懇親会(所謂「前夜祭」)に関連して回答した「営業の秘密に関わるということは一切無い」という一言により、首相の国会における答弁が虚偽であったことが昨日歴然とした。このニュースは衝撃的であり、あっと言う間に拡散された。今回、この件で最重要であるのは、これまで官僚が組織ぐるみで行ってきた「忖度」や、ホテルニューオータニがかつて行ったような口裏合わせが、踏襲されなかったということである。ANAホテルが、オープン当初とは異なり現在は外資系となっており、日本に特有な庇い合いのムラ社会文化を持たず、政治家の思惑とは無関係かつ独立的に動くのが当然の企業倫理であるからに違いない。このことはやや特殊な事情ではあるが、今回の件をもって、これまで通用してきた「忖度」や口裏合わせといった下卑た手管が如何にグローバル・スタンダードから逸脱した日本独特の、そしてとりわけ安倍政権に顕著な民族病の典型であるかということが、ネガとして浮かび上がってきた意義は極めて大きいし、日本国民はそのことをよく噛み締める必要があると思う。

 「忖度」や口裏合わせが落着するところは、不都合な事柄の隠蔽である。一昨年秋のブログでも書いたが、この国の民族病の一つに「隠蔽」文化がある。この6年以上にわたる安倍政権下では、民主主義政治が最も避けるべき隠蔽があらゆる場面で行われてきた。これもブログで何度も書き、発言もしてきているが、日本はもともと先進国では無い。戦後、高度経済成長を経て経済先進国にはなった頃までは、一応発展はしていたのでまだ良かったと言える。これが、本来の意味での発展途上国のプロセスである。しかし、バブル経済崩壊後に連立政権が誕生して日本の舵取りが根本的に変わるかと思いきや、そうはならず、すぐに自民党政権が復古してしまった。しかも、21世紀に入ってからもこの与党は僅かの期間に下野したのみで、安倍政権発足後は民主主義を阻むありとあらゆる政策が矢継ぎ早に行われて来たのであった(このことには前回のブログで触れている)。その根底にあった「隠蔽」文化は、特に昨年のサクラゲート事件以降、より顕著となった安倍首相自身による数々の虚偽答弁によって、一層強固にされてしまった。虚偽であること、隠蔽を行っていることは見え透いているのにも関わらず、常に繰り返され、国会答弁やニュースを見たり読んだりしている国民の感覚を麻痺させてしまっているのが実情だろう。恐ろしいのは、慣れや麻痺が人間の理性を鈍化させ、思考力を奪ってしまうということである。かつてのナチス・ドイツや日本軍国主義を見れば、それは明らかである。

 安倍政権を野放しにして来た国民とメディアの責任は甚だ大きい。並大抵のことでは無いが、これから日本を根本から建て直さなければならない。

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