決定してしまった大飯原発再稼働

 大飯原発の再稼働がついに決定してしまった。この国の政官業学(他多数)による原子力ムラの構造が極めて堅固であり、ちょっとやそっとでは動かないということが明白になった。その一番根っこにあるのは、「命よりカネ」の価値観である。彼らは、原発再稼働を決定する為に、このままでは日本の経済が立ちゆかなくなるとか、国民の安全が守れなくなる、などと言ってきたが、再稼働することによってこの国で暮らす人々の命が脅かされることに対しては、目をつぶったままである。経済というが、命があってこそのそれである。しかも、懸念されるという電力不足は夏の間じゅうでなく、真夏ピーク時の真昼だけである。さらに、電力は潜在的な火力の発電能力や大企業や大病院等における自家発電の可能性、関電以外の電力会社からの融通可能性を考慮すれば、そもそも充分に余っている。火力に頼れば、高騰状態の燃料費のせいで赤字に陥るというが、電力会社には埋蔵金がある。もちろん、CO2の削減の為にも火力には頼れないなどという言説は、そもそも科学的に間違っている(発電量に比するCO2排出量は原発の方が高い。また、CO2温暖化説そのものがもはや崩壊している)。

 原発再稼働に反対し、それが傾聴すべき民意として汲み上げられ、受け入れられるというのは、この国においては期待できないことなのだろうか?われわれはやはり無力なのだろうか?この問題一つとっても(いや、この問題であるからこそか?)、この国は民主主義がないというのがよく再認識できる。他の原発保有国であれば、民意はもっと重要視されるはずであり、この国の民意軽視の姿勢には失望すら覚える。

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